図書館の魔女(下)
 前卷においてもフランス語が頻出し、ギリシア語やラテン語とおぼしきことばも現れることには氣づいてゐた。だがソロモンやプトレマイオスの名が出ておどろいた。これは異世界ではないのか?
 あわてて地圖を見る。やはりこんなところないよなあ。ボスポラス周邊に似てるか。アルデシュは人名からしてハンガリーだから位置的にも合ふ。われわれの世界と共通の過去をもつ異世界といふことか。
 それにしても殊能将之といひ、この高田大介といひ、作品をつくりあげるのにどれほどの知識の堆積を必要としたのだらう。氣が遠くなる。

 

図書館の魔女(下)

図書館の魔女(下)