街の灯

 チャップリンの「街の灯」のラストシーンは映畫史上もつとも醜惡なラストシーンであらうと思つてゐる。監督がチャップリンでなければまだいい。あるいは主役がチャップリンでないのなら。でも監督が主役である自分の姿をあんなふうに撮るなんて神經は異常といふほかない。
 まそれはともかく、なんだつてこのひとは語り手を女の子にしたがるんでせうね。「覆面作家」はちがふけれどそれにしたつて不自然である。といふよりちよつと氣持ちわるい。

街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)

街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)