すか「ひろなex.(1)」

 ex.はexplorersの略らしい。
 わらひをもたらさうとするフィクションにはおろかな人物がしばしば登場する。でも、このマンガの主人公の莫迦さはどうも氣にいらない。
 香川登志緒(いや澤田隆治だつたか?)が定義したといふボケとツッコミなることばを、私はあまりつかひたくない。わらひをすべて、漫才を基準にはかるといふのがをかしいと思ふから。
 でもここでは便利なのでつかふとして、この主人公のおろかさはボケにつながつてないと思ふのですよ。だからマンガなのに、こんなヤツいねーよ、なんて思つてしまふ。
 落語にはそそつかしい人物がたくさん出てくるが、それより1ランク上の莫迦がときをり登場する。適切な例ではないが、パッと思ひつくのは「佃祭」の與太郎なんかがさうである。かういふのはいらないと思ふのだよね。
 あるいはジェリー・ルイスのギャグの大半もこれに分類されるか。
 なんか發散してしまつた。いちわうまとめると、ボケとして機能しないむきだしの愚鈍さは見てゐて痛々しい、といふことになりませうか。
 まあ、かうまでグダグダ書きつらねるほどのことでもない氣もしてきましたが。

ひろなex. (1) (まんがタイムKRコミックス)

ひろなex. (1) (まんがタイムKRコミックス)