「バッハ『ゴルトベルク変奏曲』 世界・音楽・メディア」(小沼純一)

 *「「草枕」変奏曲」の横井氏は“ゴールドベルク”、小沼氏は“ゴルトベルク”と表記する。わたくしはなんとなく、“ゴールトベルク”としてしまうのですが。
 まづ、擬似対話がうっとうしい。なにやらこれでポリフォニーだか対位法だかをあらわしているようなのだが、つまらぬ。そして中盤以降、楽譜が頻出するあたりでおいてけぼりをくらった。数学や物理の本で数式の群れが出現した感じですね。この「理想の教室」という叢書は、『高校生が読んでわかりやすい』というのを特徴としているらしいが、うむ、高校生以下の理解力ってことか。ドゥルーズベンヤミンやらを総動員した文章のなかで、ヴォイジャー人工衛星よばわりされるとなんだかなと思う。負け惜しみですかそうですか。