「グリムのような物語 スノウホワイト」(諸星大二郎)

 「トゥルーデおばさん」は朝日ソノラマで、こちらは創元から出ている。どうしてこんなことに?と思えば、発表された雑誌がちがうのですね。「ラプンツェル」はどちらにもあるが、異なる話になっているという不思議。
 不条理というか、わけのわからない話の割合がふえた感じでたのしい。「小ねずみと小鳥と焼きソーセージ」なんて、もとは教訓話めいたつまらぬモノがみごとにわけがわからなくなっている。「奇妙なおよばれ」もヘンだが、「コルベス様」は、こりゃなんだ? 「漁師とおかみさんの話」がまた捨てがたい。漁師は海でヒラメとなにを話しているのか? おそろしいサスペンス。