「日本宗教史」(末木文美士)

 通史ならではの、乱暴でもいいから歴史のながれをおおづかみにする感じがない。仏教のほうはともかく、神道というものが何なのかさっぱりわからない。私はかなり厳格な不信心者であって、日本人でありながら日本人の宗教意識がさっぱりわからない。『死後についても、多くの人が極楽でも黄泉でもなく、天国に往くと考えている』とあるが、それがなぜなのか想像もできない。葬式仏教の成立過程や、日本人の宗教意識をもっとはっきり示してもらいたかった。