「グリムのような物語 トゥルーデおばさん」(諸星大二郎)

 坂田靖子さんに「ビーストテイル」という、これまたグリムを元にした傑作短篇集があるのですが、こちらもまたすばらしい。あとがきで諸星さんも同じようなことを書いてるけれど、私もグリムのヘンなところが好きなのです。ちょうど夢のような、辻褄があってないのにそのまま進行してしまう話があって、それは人間が意識してつくれるようなモノではない。一方こちらはといえば、意識のかぎりをつくしてこしらえた物語。これがまたいいのですな。