「ソウ」(ジェイムズ・ワン)

 おもしろいけれど、好きな作品ではない。そもそも、お話とはいえあんな仕掛を考えつくのはサディストぢゃないのかとさえ思う。脚本に工夫していることは認めるが、うまく伏線のはっているというわけでもない(冒頭のシーンはもしかしたらすごいシロモノなのかもしれないが)。犯人のしかけるゲームにしても、合理的というか論理的ではない。ただひとり助かったひとだけ、やたら簡単(というのも語弊があるが)なのもおかしい。ただ、たたみかけるようなサスペンスはみごとで、間然とするところがない。