「それゆき、ジーヴス」(P・G・ウッドハウス)

 全三巻であったはずの、このウッドハウス・コレクションだが続刊があるようだ。ひとをして疑念をいだかせしめるきらいなしとしない訳文ではあるが、訳出されないよりはいい。めでたいことです。
 前二巻でどうだったかよく記憶してないのだけれど、バーティーのトラブルは友人をたすけんがための行動により生じることが多い。バートラムは、じつは友誼に厚い見あげた人物であるのだ。伯母さん連中はバーティを莫迦にしすぎるのではないか。サキの小説にもじつにやっかいな伯母さんが登場するが、英国の伯母さんというのは兇暴な性質を具備しているのかもしれぬ。
 内容というと、バーティが服装のことでジーヴスの機嫌をそこねてしまい、困ったことになる。でもって最後はジーヴスの神のごとき智慧にたすけられ、屈服するという繰り返し。これでどうしておもしろいのか不思議である。