「仏教の思想3 空の論理<中観>」(梶山雄一、上山春平)

 アビダルマよりずっとすっきりしているにせよ、ときおり紹介される釈尊の教説とくらべるとめんどくさいのはたしか。言語論としてはそれなりにおもしろいと感じるが、ナーガールジュナの証明はどうにも胡散臭い。本体だとか自性といった言葉がトリックのネタだとは思うのだが、どこがどうおかしいのかはわからない。
 冒頭にアビダルマの概要がしめされるのだが、その説明が二巻よりもよほどわかりやすかったのには感心した。