「日本の歴史2 古代国家の成立」(直木孝次郎)

 やまとことばが、めんどうくさい。人名や官名が長たらしくて憶えづらい。“太政大臣”は“おおまつりごとのまえつぎみ”ですよ。しかも同じ“大臣”でも“左大臣”“ひだりのおおまちぎみ”だからわからない。もっとも、国名、すなわち火の国とか越の国なんてのは趣があってよろしいですな。肥前だの越後だのと漢語風になるとちっともおもしろくない。
 このころの天皇家は近親婚ばかりしており、しかも兄弟で殺しあったりしていてどうもぞっとしませんな。あと、このところの女帝論議では女帝というのは中継ぎだったとよく言われておりますが、持統天皇はなかなかの政治手腕の持ち主だったようです。