「仏教の思想1 知恵と慈悲<ブッダ>」(増谷文雄、梅原猛)

 この本によると釈尊は輪廻を説かなかったようです。するとその目標となるのは、苦の原因をとりさって安楽にくらすってことになるのか。釈尊ってひとはあくまで思想家というイメージで、ストア主義者とはなはだしい懸隔があるわけでもないように思えてきた。
 私は大乗(ましてや日本仏教)は仏教的でないと思っていた。けれどむしろ、釈尊の思想が仏教的でないというべきなのかもしれませんな。釈尊の教えを葬式仏教のアンチテーゼととらえていたんだけど、どうもスジが違うかなあ。
 梅原氏の第三部は蛇足。