「新・世界の七不思議」(鯨統一郎)

 「邪馬台国はどこですか」にしたところでほんとうに面白かったのは表題作くらいなのだから、続篇の出来も推して知るべきでありましょうかね。説得力、ということばをつかうのもヘンか、つじつまの合いかたが一定レヴェルにないと面白くないわけです。強いていえば始皇帝の話が面白かったかな。
 それでも奇説をはきつづける主人公には愛嬌がありますな。「QED」シリーズのタタルにもこれくらいの愛嬌があれば、怪説を読むにも抵抗がすくなくなるのに、と思うのです。ついでにヒロインもこれくらい罵倒してもらいたいもの。