「鋼の錬金術師(3)」(荒川弘)

 主人公兄弟の姓がでるたびに、「エルリックかよ」とひっかかるのですが、それはともかくなかなかヘヴィですな。とりわけ弟が直面するP・K・ディック的恐怖。
 そういえばジョン・ウーが監督するディック原作の映画(なんというミスマッチ)の予告を見て、「ビューティフルマインド」がやたらと怖かった理由がわかった。あれはまさにディック的な現実崩壊の恐怖なのですね。そういう意味では「ブレードランナー」よりも「ビューティフルマインド」のほうがディック的といえる、って何の話だ。