2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

二階堂黎人「鬼蟻村マジック」

蘭子ものには絶望したのでもつとサトルものを書いてもらいたいと思つてゐたところであつた。 メインのトリックはでてくるなり、おほまかにではあるがわかつたしまつた。トリックそのものの問題なのか、ミスディレクションがいまいちなのか。 それはまあしか…

半藤一利「昭和史 1926-1945」

形態、規模がどうあれ、組織がうまくはたらかないさまは見てゐてつらい。 たとへば監督がアホなせゐで野球ティームががたがたになつるだけでもさうである。 それが戰爭ともなればたいへんなことで、私はプロイセンにもフランスにもとくべつな思ひいれはない…

PEACH-PIT「Rozen Maiden(1)」

べつに麻生さんが首相に、いや自民黨總裁か、なつたからではなくてですね、私はいはゆるやる夫スレがわりと好きなのである。 で、そこでしばしばヒロインを演じる(といふのか)キャラをもすこし知りたいと思つたのだ。それで「らき☆すた」も讀み、先だつて…

鈴木忠、森山和道「クマムシを飼うには 博物学から始めるクマムシ研究」

日本の科學者やサイエンスライターには、文系のセンスがたりないと思ふ。 そんなもんが研究にいるかどうかはしらないが、一般向けの讀みものを書くときには重要だと考へる。余分にみえて必要なうるほひが文章にたりなくなるのだなあ。 などとふだんから感じ…

小沢としお「ナンバMG5」

少年チャンピオン42號で終了。 卷末コメントを讀むまでをはつたことに氣づかなかつた。 しばらくやすんで、タイトルをかへて再登場するらしいが、それにしても唐突な。 ついでに「フジタチバナ」もをはり。まづまづの出來だが、もちつと農作業ネタをいれてほ…

奥野卓司「ジャパンクールと江戸文化」

昔むかし歌舞伎についての本を讀んだことがあつた。そのとき判明したのは、歌舞伎がジャンプのマンガに似てゐること。ケバい衣裳、とんがつたキャラクタ、どぎついストーリー、あくどい演出、なんと似てゐることか。 日本文化はおたくの文化なのではあるまい…

支倉凍砂「狼と香辛料」

異世界なのに異世界つぽくない。ただの中世ヨーロッパ。教會とか修道院も、そのままキリスト教のそれである。ならヨーロッパを舞臺にしておけばいいぢやん。なんなら架空の小國とかでもよい。 なぜ異世界だとダメで架空の小國ならいいのかと問はれると返答に…

施川ユウキ「サナギさん」

少年チャンピオン號で終了。 「酢めし疑獄」がをはつたときほど殘念ではないのは、ここのところ低調だと思つてゐたため。また連載をやつてくれるならそれでよし。 それはそれとして、この最終回はなかなか見られないほどみごとな最終回である。私はRPGをラス…

笹原宏之「訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語」

著者略歴に、JIS漢字や常用漢字の制定・改正にたづさはるとあるのを讀んで不安になつた。これつてアホの同義語ではないのか。 が、中味は常識的なものであつた。さまざまな字についてのトピックが雜然とならんでるだけで芯がないのでものたりない。さういふ…

池内了「疑似科学入門」

新書といふかたちでかうした本が出ることの意義までは否定しないけれども、おもしろいとはいひがたい。 参考文獻にもあるガードナーやハインズの本は個別の例がたくさんあつたのに、抽象的な一般論に終始してゐて讀みものとしてのうるほひがありません。すで…

古味直志「ダブルアーツ」

少年ジャンプ41號で終了。 原因不明の死病が蔓延する世界。主人公にはふしぎなちからがあり、彼と手をつないでゐると病気が進行しないのである。ヒロインは罹患してしまひ、主人公とずつと手をつないでなければならなくなる。 風呂にどう入るか、なんてエピ…

「象は世界最大の昆虫である ガレッティ先生失言録」

ガレッティは1750年うまれのドイツのギムナジウムの先生。このひとがタイトルにあるやうな失言をやたらとしたのださうで、生徒がそれをまとめて本にした。それがいまにつたはり、「ガレッティ」は失言の同義語になつたとか。 見てゆくと、どうも單なる失言ば…

司馬遷「史記1 本紀」

本紀といふのは歴代王朝の王たちとその周囲におこつたことを時系列にしるしてゆくものであるが、これがつまらない。年表を讀んでるみたいな。 んー、でも私は年表をダラダラながめるのは好きなのだな。王と關係のないことが書いてないからわかりづらいためか…

ドン・シーゲル「中国決死行」

第二次大戰中、日本軍の將校(アマラといふ名前)の乗った戰鬪機が中國のどこかに墜落し、アメリカ軍の小隊がアマラをつかまへにゆかねばならなくなる。。 指揮をとるのが戰鬪經驗のない情報部の中佐で、頭ごなしに非現実的な指示をされて小隊長の大尉がこま…

吉田正紀「イフリート〜断罪の炎人〜」

少年サンデー40號で終了。 カネをもらつて人殺しをする暗殺者の話ならまだ許容できるのだが、あいつらは惡だからといつて殺すテロリストの物語はうけつけがたい。マガジンでもいまそんなのやつてるんだよなあ。 いちわう復讐譚でもあるにはあるのだけどね。

濱田浩輔「どがしかでん!」

少年ジャンプ40號でをはつたバスケットもの。 スポーツマンガにおける部活動にはふたつのパターンがある。 主人公が入部するのにも苦勞するやうな名門中の名門か、部として成立するのもあやふいやうな弱小か、であります。 もうそんなのばかりなのも飽きたの…