2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「真世の王(上) 黒龍の書」(妹尾ゆふ子)

世界の謎をめぐるストーリー、ではあるが、世界があまりにせまいような。この世界が滅びてもしかたないと思わせてしまう魅力の無さ。 陰鬱な超人たちばかりでは感情移入しづらいので、下巻ではウルバンの活躍に期待したい。まあなんですよ、けっきょく私は通…

「顎十郎捕物帳」(久生十蘭)

ミステリとして評価すると、謎は魅力的なものの真相はそれほどでもない、といったところでしょう。が、主人公がいいし、文章もユーモアはすばらしく、楽しく読めました。 解せないのは、中盤で主人公が駕籠かきになってしまうこと。その後もやってることは変…

「イデアの洞窟」(ホセ・カルロス・ソモサ)

こういうへんてこなミステリを読んで満足したためしがないのだが、好きか嫌いかというとかなり好きなのである。いつかこうしたタイプの比類ない傑作が読めるのではないか、と期待しております。 でもってこの作品も、満足できる出来とは思わない。ミステリと…

「魔術師の帝国(下)」(レイモンド・E・フィースト)

訳文がどうも。いちばんひっかかるのはセリフだけれど、ほかにもエルフやドワーフ(であろう)を妖精、小人とするのはどうか。 ストーリーは思ったほど面白くもなかった。ちと戦争、戦闘の部分が多すぎますね。それに、パグが修行もしないで魔法の大家になっ…