スター・ウォーズ/フォースの覚醒
 もはやこのシリーズへの思ひいれなどない、はずだつた。だが冒頭、例のロゴがあらはれ例のテーマがながれだしたら不覺にもときめいてしまつた。つづいてファルコン號が登場すればもはやときめきどころかうれしくて笑ひだす始末。こどものころに好きだつたものへの紐帶は思つたよりも強いのだなあ。
 さてこの映畫のいちばんの見どころはBB-8がかはいいことでせう。ひるがへつて考へるに、そもそもこの「スター・ウォーズ」といふシリーズの美點はロボットが(ドロイドといふべきか)かはいいことなのである、とわかる。シリーズ中に不出來な作があるならば、それはロボットはかはいく描けてないためであると申して過言でない。
 メインのストーリーはほぼどうでもよかつた。惡役の造形はチンケだし、パイロットのポーだつてもつときちんと描かないとだめだらう。譯語も疑問あり。「兵器」てのもどうかと思ふし「ファースト・オーダー」にはきちんとした譯がほしい。