闇の守り人
 作者が文化人類學者だからなのか、氏族の風習がストーリーの鍵になつてゐるところがおもしろい。だがその意味をみんな忘れてしまつてゐるのがなんとも危なつかしい。現實世界での魔除けの風習の意味などだれも知らないが、それは效果がなくても困らないからである。お話の風習は實效性があるのだからそんなに簡單に忘れられてしまふかなあ。
 いやまあ物語は前作以上におもしろかつたんですがね。

 

闇の守り人 (新潮文庫)

闇の守り人 (新潮文庫)

 

 
ひらがな日本美術史
 徹頭徹尾じぶんの頭でかんがへた凄みがある。
 それにしても運慶の無著世親像には壓倒された。アップの圖像を載せてくれたことに感謝。つくづく眺めて、運慶はミケランジェロ以上の彫刻家ではなからうかなんて思つた。

 

ひらがな日本美術史

ひらがな日本美術史