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謹訳 源氏物語 十
 「大菩薩峠」の登場人物に以下のやうな意味のセリフがある。
 わが國には代表的な長篇小説が三つある。遠い過去には「源氏物語」、近い過去には「里見八犬傳」、そして未來には「大菩薩峠」。
 かういふ、澁澤龍彦ふうにいふとアナクロニスムのギャグが中里介山はすきだつたやうで別のところでは登場人物に江戸川亂歩や大下宇陀兒の名をいはせたりしてゐる。この部分のつづきでも三番目のは前二者よりずつと長いのだとか自慢してたりもする。
 この三大長篇小説、なんなら「グイン・サーガ」をくはへてもいいが、のうち、きちんと結末がついてゐるのは「八犬傳」だけである。馬琴の偉大さがきはだちますね。
 てなことはともかく、けつきよくのところ薫篇は蛇足だつたのではないか。さう思はれてしまふ。だが長い小説といふものはスピードのついた自動車とおなじで、急にぴたりとは止まれないのかもしれぬ。ちようど「富士に立つ影」の三代目の話のやうものであると考へれば納得がいく、かね?

 

謹訳 源氏物語 十

謹訳 源氏物語 十

 

 
神様のバレー(9)

 

神様のバレー 9巻 (芳文社コミックス)

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