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謹訳 源氏物語 八
 いきなり源氏の死後の話になつてゐておどろく。タイトルロールが退場してさらに三册分もつづくのかい。そして主役をひきつぐのはふしぎなスメル男であつた。
 そして展開されるストーリーはなにやらジッドの「狭き門」みたいな(さうか?)話である。紫上のときにも感じられたが、佛教的な價値觀が人間から生きる活力をうばつてゐるのではないか。佛教とはさういふものだといへばそれまでにしても、どいつもこいつも厭世的ではやく遁世しはやく死にたがつてるのは氣持ちわるい。
 またこの時代の貴族の女には自由がなく、女房どもに支配されてゐるやうに思はれる。女の性格にもよるのかもしれず、そもそも小説を鵜呑みにしてよいのかわからぬが。

 

謹訳 源氏物語 八

謹訳 源氏物語 八

 


吸血鬼と精神分析(下)
 いやーおもしろかつた。睡眠をがりがり削つてミステリを讀んだのもひさしぶりである。シリーズでも一番たのしんだかもしれぬ。偶然の要素があまりにも介入してゐるのが玉に瑕でせうか。
 解説を讀んで雜誌連載ををへて本になつてないシリーズ作がまだ三つもあることを知りおどろいた。じやんじやん本にしてほしい、と思つたがこの小説の單行本が出たのはもうかなり以前であり、そんな奴にいはれたくないわな。

 

吸血鬼と精神分析(下) (光文社文庫)

吸血鬼と精神分析(下) (光文社文庫)