5分でたのしむ数学50話

 ハヤカワ文庫のアシモフのいはゆる科學エッセイの解説で、鹿野司アシモフの文章には理系的なおもしろさと文系的なおもしろさがともにそなはつてゐるてなことを書いてゐた。それを思ひ出したのは、この本には文系的なおもしろさが無いから。数學の本なのだから特段、文系的なおもしろさなどなくつたつていいのだけれど、ラマヌジャンのやうなへんてこなひとを紹介するにあたつてどうにも無味乾燥な文章なものだから、工夫しだいでいくらでもおもしろくなるのになあと思つたわけです。アーベルやガロアガウスなども同斷だ。ま、一話あたりの分量がすくないのでしかたないのかもしれない。
 「ナイーブ」なる譯語の選定にも疑問あり。

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