「鹿鼎記(8) 栄光の彼方」(金庸)

 でもってこの巻にて終了。ロシア戦は蛇足に近いが、ハーレムエンドにはおそれいりました。
 武術の心得のない主人公が舌先三寸で苦境をきりぬけていくのはたしかに面白い。けれどこの主人公の卑しさに辟易することもしばしばであった。面白いが、好きにはなれぬ作品、というところでしょうか。双児のあつかいが最終的にはさほど悪くなかったのはよかったですが。
 ともあれ金庸作品はこれですべて訳出された由。徳間書店はよくやった。えらい。岡崎由美さんもおつかれさまでした。