読書

松野秋鳴「えむえむっ(5)」

三卷四卷よりよかつた、氣がする。ひさびさに讀んだからであらうか。えむえむっ!5 (MF文庫J)作者: 松野秋鳴,QP:flapper出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2008/06/21メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (41件) を見る

有栖川有栖「女王国の城」

いまさら感があつて期待はさほどしてなかつたがおもしろい。とくに動機がよい。 大人の風があると思つてゐた江神さんだが、火村と大同小異のやさぐれ男に見えてきた。小説家アリスが火村をモデルに江神といふキャラクタを創造したつて設定なのだつけ?女王国…

銭育才「太極拳理論の要諦 王宗岳と武禹襄の理論文章を学ぶ」

太極拳理論の要諦―王宗岳と武禹襄の理論文章を学ぶ作者: 銭育才出版社/メーカー: 福昌堂発売日: 2000/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る

伊藤順康「自己変革の心理学 論理療法入門」

自己変革の心理学 論理療法入門 (講談社現代新書)作者: 伊藤順康出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/07/18メディア: 新書購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (10件) を見る

松野秋鳴「えむえむっ!(3)(4)」

なぐられたり蹴られたりが足りない。えむえむっ!〈3〉 (MF文庫)作者: 松野秋鳴,QP:flapper出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2007/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (46件) を見る

海堂尊「ナイチンゲールの沈黙(下)」

ミステリとしては凡作以下。 そのうへ犯人の頭がわるすぎてイライラさせられる。それをうちまかし、粉碎し、屈服させるべき白鳥も破壞力不足であり、讀後もモヤモヤがのこる。 エンタテインメントなんだから、おしまひでスカッとさせてあとをにごさないでほ…

海堂尊「ナイチンゲールの沈黙(上)」

田口の出番がすくないのはダメ。 前作でも藤原看護師はよかつたが、猫田師長もいいですね。やはり師長ともなるとそれなりの人物がなるのでせうか。「ラディカル・ホスピタル」の咲坂師長を想起しつつさう思ふのであつた。ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文…

松野秋鳴「えむえむっ!(2)」

このシリーズがかなり氣にいつてゐることを認めねばならないやうだ。 どこがいいのだかわからないが。 まあ、女の子になぐられるとこなんでせうね。えむえむっ!2 (MF文庫J)作者: 松野秋鳴,QP:flapper出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2007/05メ…

ロバート・ローラー「アボリジニの世界 ドリームタイムと始まりの日の声」

と学会のひとつて、かういふ本ばかり讀んでるのかなあ、と。そりやタイヘンな苦行だなあ、と。 いや、トンデモ本てのが單に科學的にあやまつた内容の本ではなく、著者の意圖を超越したおもしろさを獲得してしまつたものであるのは承知してゐる。でも、さうい…

松野秋鳴「えむえむっ!」

まあ、なんとまうしませうか、女難ものであります。ムチャクチャであります。でも、それなりにおもしろく出來あがつてゐることは認めなくてはなりますまい。えむえむっ! (MF文庫J)作者: 松野秋鳴,QP:flapper出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 20…

蒼山サグ「ロウきゅーぶ!」

作者プロフィールによればインド料理がどうのかうのとあるから、「サグ」てな例の暗殺教團からきてるのかしらん。 「飛べないアヒル」みたいな感じ。「がんばれベアーズ」……はちがつたか。「リベロ革命」にもママさんバレーの監督をするエピソードがあつたな…

藤森照信「建築史的モンダイ」

茶室とか超高層ビルとか城とか横長の寺院とかガラスとか鐵筋コンクリートとか、それぞれのトピックはおもしろい。のだが、こちらが興味をもつたところでその文はをはつてしまふ。もつと情報を。 なんていふなら體系的な本を讀めばいいのだけどね。建築史的モ…

スティーヴン・ラバージ「明晰夢―夢見の技法」

夢は一向に明晰にならぬが、眠るのがなにやらたのしみにはなつたのでよしとする。が、譯者は本書を讀んではじめて明晰夢をみたのださうで、うらやましい。 第九章はうさんくさい。夢テレパシーはないだらう。本全體をだいなしにしかねないぞ。明晰夢―夢見の…

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄(下)」

大陸が東西にのびてゐるか、南北かとか、感染症による防衞なんてあたりの觀點はおもしろい。議論が單純化されすぎてるきらひはあるが、だからこそのおもしろさもあるしね。 日本における漢字のありかたについての著者のかんがへは首をかしげざるをえないが。…

海堂尊「チーム・バチスタの栄光(下)」

ミステリファンといふほどでなくても少なからぬ册數を讀んできた人間としてははなはだ迂闊なことに、私は田口が探偵役だと思つてゐた。一人稱の語り手なのだからそりやワトスンだよね。 下卷になつて探偵がでてきたがコレがなかなか。推理はかなり疎漏だと思…

海堂尊「チーム・バチスタの栄光(上)」

ミステリの前半だけ讀んだところでいふことなんてないか。 主人公はわりといい、とか、病院つてそんなにドロドロしてんのか、てくらゐですかな。チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)作者: 海堂尊出版社/メーカー: 宝島社…

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄(上)」

圖書館で借りたら、書きこみがされてゐた。 目ざはりだとか讀みづらいといふよりも、さういふことをしでかす無神経さが不快である。 それはさておき、圖書館の本や古書でマーキングされた本を何度も讀んだが、どれもこれもトンチンカンなところを注目してゐ…

阿満利麿「日本人はなぜ無宗教なのか」

たとへばニュース番組でこどもを事故なり事件なりでうしなつたひとが「こどもはきつと天國で神さまと一緒に云々」といつてるのを見たとして、まづは氣の毒だと思はねばならないのだらうが、正直に白状すれば「その神とは何者か?」と思つてしまふ。 だつて、…

「天外消失」

バロウズがすごく變である。イーヴリン・ウォーにポール・アンダースンにフレドリック・ブラウン、シムノンにアンブラーにロースンがゐるなかで、異樣さにおいてきはだつてゐる。ターザンはもつと讀むべきなのかもしれぬ。 アンダースンのはホームズ譚のパロデ…

津本陽「孤塁の名人 合気を極めた男・佐川幸義」

「黄金の天馬」も「鬼の冠」も讀んだのだから、こいつもかたづけねばなるまい。でも小説としての出來はかんばしくない。引用がやたらあるのには目をつぶるとしても、重複が多すぎる。そもそも小説といふより小説よりの評傳といふところか。 大東流は結局、武…

ドナルド・A・スタンウッド「エヴァ・ライカーの記憶」

「オールタイムベスト級」なる文句につられて讀んでみた。 氣にくはない。おもに倫理的な理由で、である。主人公が復讐のためか好奇心のためか、餘計なくちばしをつつこむものだから(致命的な)迷惑をかうむつたひとが幾人もでたぢやないか。 それは措いて…

スウィフト「桶物語・書物戦争」

「図書館戦争」を讀んだらつぎは「書物戦争」を讀むのが自然なながれである。などと思ひ讀みはじめたのだが、風邪をひいたりいそがしかつたりで時間がかかつた。 當時の社會のいろいろを諷刺してゐる、といつても、註を讀まなければ何についてあてこすつてる…

岩合光昭「旅行けばネコ」

風邪をひくと本もマンガも讀めなくなる。 やつとなほつてきたのでリハビリがはりに寫眞まじりの雜文を讀む。雜文まじりの寫眞集といふべきか。旅行けばネコ (新潮文庫)作者: 岩合光昭出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/11/27メディア: 文庫購入: 3人 クリ…

有川浩「図書館戦争」

これは、軍隊を舞臺にした「あしながおじさん」である。いや、そのつづきの「親愛なる敵」のはうだつたかな? 「高慢と偏見」とまでいふのは擴大解釋がすぎるだらうか。おもしろさにおいては、「高慢と偏見」はもちろんのこと、ウェブスターの二作にもおよば…

グレン・C・エレンボーゲン編「卓越した心理療法家のための参考書」

「本の雑誌」に紹介があつた。いはく、「鼻行類」や「虫づくし」、アシモフの「チオチモリン」やニーヴンの「スーパーマンの子孫存続に云々」の系譜につらなるものであると。 そいつは是が非でも讀まねばならぬ。と、すぐに手に入れて讀んでみた。 可笑しい…

宮崎駿「宮崎駿の雑想ノート」

亂暴にも、宮崎駿のベストワークはマンガの「風の谷のナウシカ」であると思つてゐる。アニメーション作品をさしおいて、といふのが亂暴なのではない。「紅の豚」以降の作品を觀てもゐないのにきめつけてるのが亂暴なのである。 でもこれを讀んで、やはり宮崎…

スティーヴ・ホッケンスミス「荒野のホームズ」

ホームズにあこがれたカウボーイが殺人事件の搜査にいどむ。 おもしろいのは、この小説の世界がホームズ譚の世界とおなじであることだ。といつて、レストレイドが登場したりするわけではないが、ホームズは実在の人物としてあつかはれる。 もつとも、ホーム…

武田雅哉「蒼頡たちの宴」

漢字の本、かと思つたら、脱漢字を夢見た男たちについての本でありました。 蒼頡といふのは漢字を發明したとされる傳説の人物あるいは神。近代化にともなひ出現した、漢字を改良せんとこころみたひとたちを蒼頡にたとへてゐるわけですね。うたかたの夢でをは…

ブライアン・ラムレイ「地を穿つ魔」

ラヴクラフトのやうに書いたところでラヴクラフトを凌駕できないのは歴史が證明してゐる。だから新機軸をねらはねばならぬとしても、これはどうかなあ。 「邪神ハンター」なんてことばが出てくるのですよ。あの、何がなんだかわからない異形のばけものが、狩…

水村美苗「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」

けつきよくは小説家の心配ごとではないのか。つまり、日本語で書いた小説は世界であまり讀まれないのに、英語だとちがふ。それがくやしいみたいな。 いや、この本のテーマはそこまでチンケではない。でも、科學者が英語でなく日本語で論文を書いたとしても、…