超級護衛 スーパー・ボディガー
 ストーリーもカッコつけようとした演出も上すべりしてゐるのはいいとして、アクションの見せかたがいまひとつ。
 覺醒したといふか、封印が解除されたのにたいして強くなつてないのではカタルシスを得られないでせう。

 

 

時の車輪 聖竜戦記1 闇の予言
 主人公が愚かでイライラする。その愚かさのために愚かな行爲をするだけならまだしも、ぐずぐずしたり餘計なことをしたりで愚かな行爲を貫徹することすらできないのには我慢できぬ。田中芳樹がエッセイのやうな解説で「うじうじくよくよ悩みつづけているのがちと歯がゆい」と書いてあるのがまさにそのとほりだと思ひます。
 中世みたいな世界の教育のない羊飼ひなのだから無理もないともいへるけれど、物語の主人公なのだから程度といふものがある。

 

聖竜戦記〈1〉闇の予言―「時の車輪」シリーズ第2部 (ハヤカワ文庫FT)

聖竜戦記〈1〉闇の予言―「時の車輪」シリーズ第2部 (ハヤカワ文庫FT)

 

 

五線譜のラブレター
 ミュージカル仕立てのコール・ポーターの傳記映畫。

 

 

グラスバードは還らない
 あまりにも偶然に負ひすぎた事件構成ではなからうか。
 今後も登場するテクノロジー設定を引きついでゆくと一見さんおことわりのシリーズになりさうな。

 

グラスバードは還らない

グラスバードは還らない

 

 

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか? アスリートの科学
 私が無知だからかもしれないが、どこを讀んでも發見のあるおどろくべき書物であつた。

 

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか? アスリートの科学 (ハヤカワ文庫NF)

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか? アスリートの科学 (ハヤカワ文庫NF)

 

 

ジョー・ブラックをよろしく
 冗漫といふか鈍重といふか。
 ブラックの設定がそもそもあやふやだ。裏切りを何度も見ただの、國税廳がどうのだのといふ一方でおどろくほど無知である。これまで彼は傍觀者にすぎず實際に體驗することがなかつたといふことなのだらうが、くはしいことはくはしすぎ、知らぬことは無知にすぎる。そもそもシステム(?)的に彼の行爲は許容されうるものなのか。